JCDN うろうろ日記

うろうろとあっちに行ったりこっちに行ったりしながら日々考えていることを綴ります。
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今年で開催5年目になるという佐世保公演。地元主催は、一回目から同じ「アルカスSASEBO」という佐世保市の財団が運営する大きな文化施設だ。大中小のホールがあり、「踊りに行くぜ!!」は小にあたる、キャパ200ほどのイベントホールが会場となる。


開場時の様子

JR佐世保駅前からの風景。アルカスまで徒歩5分ほど。

巡回の出演者は、しげやんこと北村成美、吉福敦子、鈴木ユキオ×辺見康孝。


しげやんは、今年ソロ作品とJCDN作品創造シリーズ「DANCE×MUSIC!」初回の話題作「インダスヒュー」の2作品で踊りに行くぜ!!に参加いただいている。
ここ佐世保では、ソロの新作20分バージョン(フルバージョンは夏に栗東で上演された)を、劇場版としては初演ということになる。(巡回一つ目の越後妻有は、野外での上演だった)、作品の最後に降らせる仕掛けはここが初めてということで、想定している効果がはたしてそう見えるのかどうかドキドキしながらリハを終える。ネタはここで明かせないが、その仕掛けはとてもうまくいく。作品は20分バージョンになって、だいぶ構成が整理された。気合の入った上演に拍手が! ようやく20分版の初演を終えたところだが、しげやんと本作の巡回はここ佐世保で終了。今後も再演してほしい作品だ。

左から吉福敦子さん、ダンサーで本作に参加の、セレノ阿比留さん、DBでおなじみの森本あやこさん トークのショット
吉福さんの「月の砂漠」はもともとソロの作品を京都ダンスプロダクションという企画で3人で踊る作品に改訂。写真で紹介できず残念だが、紙の上でいろいろに紙と戯れるダンサーの動きと音と照明とのシンクロによるダンス作品。巡回では音を録音で行う。
リノの上で上演すると紙が滑らず踊れないということで、ベニヤを注文するも、化粧でないベニヤが滑らず、アクリル板を用意していただいた。舞台の村川さん、ありがとうございました。吉福さんも佐世保で巡回は終わりだ。シンプルだけど色んな遊び方のできる作品、今後も展開していってほしい。


鈴木ユキオ×辺見康孝 リハーサル/トーク
ヴァイオリンの辺見さんは松江から。「DANCE×MUSIC!」最新作のうちのひとつを巡回で再演。普段は現代音楽を専門にする辺見さんの超絶な演奏と、鈴木さんの身体ひとつが拮抗し、シンプルで力強い作品だ。
3作品とも、転換ありの作品で、舞台さんは大忙しだった。テクニカルさんは2年前から全て会館の方にやっていただいている。今年も色んな要望・変更に全て対応いただき、感謝。

そして、巡回3組と一緒に、佐世保のワークショップ参加者が成果発表を行った。


このブログでも紹介したのだが、昨年の「踊りに行くぜ!!」公演は初めて試みた地元の一般参加者による山崎広太ワークショップ作品がとても良いものになり(一般の方を対象にワークショップを行い、最終発表を踊りに行くぜ!!で行う)、それまで、地元からの作品がなかった佐世保に新たな風が吹いた年だった。今年もぜひ継続したいということで、昨年と同じ、8月一週間+公演直前3日間のスケジュールでワークショップを行った(JCDNは講師のコーディネート)。

講師は鈴木ユキオさん。
「踊りに行くぜ!!」今年最多の出演者で、主宰のカンパニー<金魚>で3ヵ所の巡回を終え、ここ佐世保と来週の広島では、「DANCE×MUSIC!」より辺見さんとのコラボ作品を上演していただく。
鈴木さんにしてみたら、自身の作品とWSのナビゲートの両方で大忙しの現場だったと思うが、終始、あせらず慌てず、冷静沈着な様子の鈴木さん。ワークの参加者にはとても慕われて、ワークの現場はいつもいい雰囲気ができていた。

立ち姿が印象的な鈴木さん。

ワークの蓋を開けてみて一番驚いたのが、参加者の約半数が昨年も参加した、リピーターだということだった。昨年、ダンスをやって目からウロコ、虜になった(!?)という皆さんが、今年も楽しみにしてくれていた。
初めて参加した方にとっては、経験者がいることで慣れない創作現場に馴染みやすくなるという効果もあったようだ。


リハ終了後。 一人一人にアドバイスをしていく。

鈴木さんのワーク内容は、彼自身のダンスのテーマでもある個々の身体を徹底的に存在させる、ということだったと思う。
ダンサー対象ならいざ知らず、ほとんどが踊る経験のない一般の人との取り組みがどんな方向に向かうのか、興味とともに不安もないではなかった。が、結果は、アフタートークで参加者の皆さんが口々に「人生に光が差す体験だった」「私は私のままでいい、ということを見出した」と、自身の人生に関わる変化について感じたことを飾らずに話してくれて、参加者にとって踊ること、踊りへのチャレンジが人生に深い影響を与えるという、素晴らしいワークとなったようだ。

ワーク参加者と鈴木さん・アルカスの伊藤さん。全員集合!



公演後の打ち上げで参加者の方と話をするうち、中学校の先生や保母さん、バレエ教室の先生など、子供に関わる仕事を持つ人がたまたま集まって、話題が昨今の子供をとりまく教育のことになった。 
お母さんが子供に求めるのは、その子自身の個性や感性が第一ではなくて、決められたことや周りと同じことがちゃんとできること、バレエなら技術を着実に習得して上手になることにのみ関心が偏ってしまうのだとか。ものの見方にしても、本来なら子供の感性が豊かになるように、音楽やダンスがあるはずなのに、世の中の色んな価値観や世界観を一つの枠の中に集約するかのように、いつの間にか多くの人が一つの同じ考え方、同じ感じ方を子供に教える世の中になっているのでは、、と。
今回のダンスで参加者が鈴木さんに求められたのは、自分の身体とともに自分自身をもをさらけ出すことで、一人一人固有のものを生かすということでもあったのだろう。踊りの上手下手とは関係なくそれぞれの身体・ダンスを追求するという体験を通して、保育園で働くAさんは、これまで一つしかないと思い込んでいた事が、実はそうではなくて、色んな見方があって、そのことに気づけたことが驚きだったと語ってくれた。そして、子供にもそんな自由な感性をもってもらえる環境にしたいと。

ちょうど、いまJCDNが取り組んでいるコミュニティダンスのプロジェクトでは、まさしくそういうダンスの力を社会に活かしていく、ということを広めようとしているのだが、こうやって踊りに行くぜ!!の現場でも、アーティストの育成と並行してリアルにダンスが何かの助けになっていることが、新鮮に思う。
Aさんの他に、今回のワークの参加者も前回参加いただいた方からも、一般対象のワークショップでは、初めてダンスに出会う人からの感想や意見から、私自身が改めてダンスの奥深いところを考えるきっかけをもらっているなー、と思った。
改めて、鈴木さんの懐の深いワークに感謝! お疲れ様でした!


参加者のみなさんから、鈴木さんに愛の詰まった手作りのメッセージ集(!)と、
帽子のプレゼント。似合う〜。


昨年から続けて参加してくれたSさんは、いよいよ今後は創作にも取り組みたいが迷っているとのこと。そういえば、佐世保にはコンテンポラリーダンスに触れる機会や、習える場所といったコミュニティがまだほとんどないのが現状で、どうしても孤立してしまう。この「踊りに行くぜ!!」のWSから、いずれはアルカスを中心にダンスのコミュニティができてくれたらなと思う。創る人も見る人も含めて。1年目から毎年熱心に佐世保にダンスを普及しようと孤軍奮闘するアルカスの事業部、伊藤さんの願いもそこに尽きるようだ。 しかし、始めの2-3年に比べ、一年ごとに状況は変わってきていると思う。あきらめずに、毎年続けて、徐々に拡大していきたいものだ。もちろん、伊藤さんはやる気充分。来年の日程も押さえてくださっている。ワークも、新たな講師を迎えて内容を充実させたいものだ。
これまでの巡回出演アーティストとの縁もたくさんあり、佐世保でまだまだ色んなことが出来ると思う。今後もダンスをよろしくお願いします! (K)

左から、アルカス伊藤さん、吉福さん、鈴木さん

アフタートーク
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Comments:

職場のPCから、夜勤を終えてから閲覧。笑
ニ次回ではずっと水割りを作ってました、もっちです。

JCDNの皆様、佐世保に来ていただきありがとうございました。
ここまで色々悩んで、自分をさらけ出しちゃうアートなんてなかなか無いよ…
でも悩めば悩むほど、その分、面白い。
今年も参加してよかったです。

来年は、作品を造りあげられるまで成長できたらいいなぁ(*^_^*)

comment by: mocchi | 2008/12/02 2:52 AM

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