JCDN うろうろ日記

うろうろとあっちに行ったりこっちに行ったりしながら日々考えていることを綴ります。
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(打ち上げ終了後、舞台にて記念撮影 photo:Miyuki Yonei)
恐るべし鳥の劇場!
JR鳥取駅から車で30分。鹿野町という町並みが美しい城下町にある、かつて鹿野小学校の体育館だったところを鳥の劇場という演劇集団が劇場にリニューアルし、此処を拠点として活動している。昨今、ハイテクの劇場は多けれど、本来の劇場としての役割をきっちりと果たしているハコは、いったい日本にどれくらいあるのだろうか。劇団員が東京から越してきて、鹿野に移り住み、この鳥の劇場で公演を重ね、鹿野の町の人たちが観客として、また県外からのファンも駆けつけるという、舞台関係の間では、ちょっと噂になっている劇場なのだった。そんな噂を確かめるべく今年のGWに、鹿野温泉にそそられつつその噂をたしかめに出かけた。

 そこには、いまどき”こんな無駄なこと”に、精魂を費やすモノつくりをしている人たちがいるのか、という驚きと感動に出会うことができた。新たな価値を創り発信していく、という本来持つべき劇場の機能をそこにいる人たちが、文字通り時間をかけてつくり出していく。現代社会で生きている普通の生活者にとっては、”無駄なこと”だらけだろう。その無駄なことが今の世の中、どんどんなくなって きている、いや、なくそうと日夜努力しているのだろう。そういう私も例外ではない自分に気づかされる。

 ともかく、この鳥の劇場と出会ってしまっては、踊りに行くぜ!!を此処でやらないわけにはいかなくなった。やりたい。劇団メンバーでありながら、照明の斉藤啓さん、舞台の村上さんとは、以前からご縁があり、今年の開催に滑り込みセーフで駆け込んだというわけだ。鳥の劇場にとっても、自主公演以外の催しを行うのは初めてのことだそうで、劇団員総出で、踊りに行くぜ!!ご一行を迎えていただいた。

 斉藤啓さんいわく「人を迎えることにかけて一流」の主宰者中島さん。お客様をどう迎えるか、どう、観ていただくか、ということへのこだわり、そのこだわりを劇団メンバーがひとつづつ、実現させていく。


<劇団メンバーと打ち合わせする鳥の劇場主宰中島さん(ブルー上着)>

 鹿野はここ数日でみぞれが降ったほど急激に冷え込んだということで、暖房設備に慣れきった虚弱な現代人は、暖房をつけても冷気が勝つ体育館は、これまらカツを入れられているようで新鮮だ。楽屋や託児室は暖かく、きれいに用意していただき、リハーサル日から公演まで劇団メンバーが、毎日毎日掃除掃除掃除、をして此処かしこを磨きこんでいく。トイレ、廊下、ごみ箱にいたるまで、気持ちがいい。何故、掃除をするのか、という答えがそこにはあるからだろう。

 今回の出し物は偶然だが、小道具を使う人が多く、スクリーンを吊り込んだり、コーヒーカップを放物線状に吊るしたり、いすを並べたり、キャベツを投げて汁が飛んだり、と舞台スタッフさんも大忙しだ。しかし、そこは慣れたもので役者兼、舞台スタッフが 入り舞台転換もスムーズに。昼公演のため、前日の夜にゲネプロを行ったが、中身だけで正味120分を超える長帳場になりそうだ。しかもうれしい悲鳴で、予約がどんどん増え、公演前日で150人の予約が入っているそうだ。すごいことになってきた。客席をどうつくるか、どこにどういう順番で観客をスムーズに誘導するか、緻密なプランが練られていく。

 しんしんと冷え込んでくる夜のゲネプロは本番を観れない実行委員のスタッフの方々は、11時を過ぎても食い入るように作品を観続けている。だいたい、ゲネの日に総勢50人
ほどが集まるなんて、初めての経験だ。テクスタッフは深夜2時ー3時まで、仕込みなおし、準備と寝る間もなかったようだ。明日は、出演者一同、気合を入れていかねば。


 さてさて、公演当日。素晴らしい秋日和の中、続々と観客が集まりだした。小学校の校庭一面が大駐車場と化していく。初のダンス公演で、これほど人を集めてくれた<鳥の劇場>恐るべし。その影には、町中を「踊りに行くぜ!!」のチラシとポスターを配布しまくり、コンテンポラリーダンスって何?という質問に100回くらい答えていただいたのだと思う。そして、当の<鳥の劇場>の人だって、いったいどんなもんが来るかなんて、半信半疑だったに違いないのに。昨今、都会でも100人の観客を集めるのに苦労する時代。ものすごーーーーく1を200に重ねていってくれたのだと思います。感謝ですよ本当に。


 受付には、まるたつコーヒーさんのよい香りが充満していく。昨日のリハの写真を拡大した写真と共に、出演者の紹介がロビーを飾り、全国19箇所開催のチラシが廊下にデコレーション、上演を待つ観客の気持ちがいやがおうにも盛り上がる、心にくい演出がここかしこに施されている。さりげなく鳥の劇場の奇跡を伝えるメディアが、やさしいランプの光で照らされている。場があり、作品があり、人々の心が日常から非日常空間へ誘われるこの瞬間が心地よい。



 ちょうどぴっちりと210人が席に落ち着き、緊張感の中上演が進む。初めてダンスをみる観客、初めてダンスをする空間、ちょっぴり固い空気ではあったけど集中力の高まる質の高い客席。じゅんじゅん、鳥取から24、Easy、P'lush、休憩を挟んで 台湾から白舞寺、北村成美、という上演。巡回公演で回を重ねていくとがぜん作品が変わってくる。P'lushは、前回の山口からかなり充実した内容になってきたと感じた、ダンサーも気合がはいっている。地元作品2つもがんばっていた、ここから次につなげていってほしいと思う。

 どれもが熱演であったが、台湾からの白舞寺の迫真のダンスに地元観客も大拍手。この作品、台湾では上演する度に賛否両論がある作品で、使っている音楽は、宗教色の強い作品。男性しか歌ってはいけない曲だそうだ。そしてリハーサルのときは、別の曲でやり公演のときだけこの曲にしなければいけないほど台湾では、センセーショナルなものだそうだ。あらゆる神の名を歌っているそうだ。映像の最後には、原爆や戦争のシーンが流されるメッセージ性の強い作品だが、日本のダンスシーンでこのようなテーマがダイレクトに扱われる作品はほぼ皆無。そういう意味でも紹介したい作品だ。そして、ムーブメントは西洋のメソッドは使われず、原始的な単純な動き、痙攣、とプリミティブなものの組み合わせ、しかしあきることがない30分だ。
 ラストは貫禄のしげやんの「うたげうた」に盛り上がり幕となった。久々に観るしげやんのばか踊りは、やっぱいいなあ。

初めてダンスを観た皆さんはどんな感想をお持ちになったのだろうか。
もう一度、観たい、と思っていただけただろうか?


 打ち上げはロビーにて、<夢こみち>さんというおいしいご飯を食べさせていただいた食事処より料理をデリバリーしていただき、かにの味噌汁をはじめ、野菜や魚、満載の心づくしの地元料理を堪能しながら、いろんな話に花が咲いていた。打ち上げの〆に「踊りに行くぜ!!」をつくってくれた一人一人から言葉をもらい、そのひとつづつの話に心が沁みる。実行委員の皆さんのダンスに興味を持っていただける姿が素晴らしい。県外からのお客さまは、アサヒビール加藤さん、根本さん、芸術見本市の久保田さん、豊岡市民プラザの岩崎さん、写真の玉内さん、ありがとうございました。


 名残惜しい劇場で記念撮影、宿に帰っても夜中3時半まで飲み会は続き、朝夜と温泉が疲れを癒してくれるのが何よりありがたい。
 来年も鳥の劇場での「踊りに行くぜ!!」開催が継続できるよう、ガンバロー!
宿の山紫苑で働く部屋係りさんに、公演前日、是非観に来てくださいね、と声をかけたの
だが、帰り際、偶然にも再会した。公演に本当に来ていただいたようだ。「どうでしたか?」と恐る恐る聞くと、「驚いた。ぜったい来年も見に行くからまた来てよ」と。
その声に励まされて、台湾3人組と次なる巡回地、高知へと向かった。
皆さん、休暇にどこに行こうかと悩んだら、<鳥の劇場>を訪れてみてはどうでしょう?
きっと日常が吹っ飛ぶ休暇になること間違いなし!です。(R,M)

<実行委員とのミーティング>


<アフタートーク>

<EAsy>

<24(弐拾四)>

<じゅんじゅん>

<しげやん>

<白舞寺>

<白舞寺><以上、出演者写真全て 撮影:米井美由紀

<P'lush 撮影:玉内公一>



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JCDNの「踊りに行くぜvol.8」が鳥取の「鹿の劇場」で開催されたそうです。 11月24日に公演だったと言うことです。このへんでも紹介しておられます。 ・JCDNブログ ・fringe ・日本海新聞 コンテンポラリーダンス、言い換えると「現代ダンス」とか「現代舞踊
trackback by: kannavi | 2007/11/27 7:26 PM